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「楽しそうなので」「盛り上がりそうなので」という相談

この記事は約6分で読めます。

私は現在、事業会社の人事に所属していますので、内部コンサルタントという位置づけです。つまり、人や組織に関する課題解決を社内の人間として行っています。中でも、私は人材育成や組織開発に関わる課題を扱っています。

内部コンサルタントという存在を外部コンサルタントと比較した場合、いくつかの利点が挙げられます。

例えば、

① 会社のことを理解している
② 社員のことを理解している
③ 継続的に課題解決に関与できる
④ キャッシュアウトが発生しない

などです。

①~④の全てが、社内からの相談のしやすさにつながっていると思われますが、人材育成・組織開発コンサルティングを行ううえで注意する点があります。

今日は、そのあたりに関するお話をします。

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④に書きました「キャッシュアウトが発生しない」ということで、気軽に相談できる存在が社内にいることは社員の皆さんにとってとても有難い/便利なはずです。もともと予算化していなかった場合でも、突然発生した案件でも「何とかしてくれませんか?」と言えますから。

外部のコンサルティング会社に依頼すれば当然支払いが発生しますし、予算化していなかった場合、どこからか予算をかき集めてきたり、社内で稟議をあげたり、適切な外部業者を選定したりと、色々と手間がかかります。

社内から相談される側(内部コンサルタント)からすれば、「頼ってもらっている」と感じられますし、課題解決につながれば、声をかけてくれた人だけでなく、課題を抱えていた社員や職場にも喜んでもらえますので、こんな嬉しいことがありません。

ただ、気軽に相談できるがゆえに、以下のようなケースが起こります。要注意です。

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楽しそうだからやりたいんですけど

私は、レゴ®に関するワークショップを運営するファシリテーターの資格を持っています。(→ レゴ®シリアスプレイ®ファシリテータの紹介サイトへ

皆さんご存じのおもちゃのレゴ®を使って行うワークショップは、子供相手の教育界だけでなく、大人を対象にビジネス界でも(世界中で)行われており、レゴ®を活用するからこそ創出できる効果があり、私も自分が企画するワークショップで活用しています。

(写真)

良く知られたレゴ®だからこそ発生する相談があります。こんな感じのものです。

相談者
相談者

なんか噂で聞いたんですけど、レゴ®を使ったワークショップがあるんですよね?今度、うちの職場でやってくれませんか?

きっと「レゴ®は楽しそうだから、職場みんなでやれば盛り上がりそう」とでも思ったんでしょうね。

そのように思うこと自体、「職場(の人間関係)を良くしたい」という想いが背景にあると思われますので、何とか支援してあげたいと思います。一方で、生産性向上とか時間外労働の削減、ワークライフバランスなどといった課題も多くの職場が抱えているわけですので、無意味な場はつくりたくないとも思います。

ですので、内部コンサルタントとして、職場を支援するために必ずヒアリングを行い、職場の方針や現状を聞き、人や職場に関する課題を明確にしようとします。そのうえで、課題を解決するための手段を考えます。

今回のような「レゴ®をやりたい」という、手段が先に来るような相談には慎重になります。課題を明らかにし、その解決の手段として、レゴ®が使えるのであればもちろんそのようにします。

ちなみに、今回の相談のケースでヒアリングをしましたところ、こんなやりとりでした。

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応援団長
応援団長

ご相談いただき、ありがとうございます。ご相談いただいた背景や職場の課題などを聞かせてほしいのですけど。そうすれば、「こんな感じでいきましょうか」とご提案できるかと。

相談者
相談者

えっ、課題ですか・・・。いやぁ、知り合いに「この間、レゴ®を使ったワークショップをやって良かった。盛り上がったんだよね」と聞いたので、うちも月に一度やっている職場ミーティングでやりたいなと思ったので・・・。

応援団長
応援団長

そうなのですね。レゴ®を使って盛り上がったんですね。お知り合いの職場では、何を目的にワークショップをやられたんですかね?

相談者
相談者

・・・聞いていません。ただ、面白かったと。

応援団長
応援団長

なるほど。皆さん、お忙しいですので、ミーティング1時間でも貴重なお時間だと思います。目的がはっきりしない場を用意すると「これ、何のためにやってるの?」と不愉快に思われる方もおられます。楽しいだけの場を1~2時間用意しても、数日後には何もなかったかとのような状態になるのは目にみえていますし、半年もすれば「そんなこと、やったっけ・・・?ああ、なんかやったねぇ~」という状態になることも多いです。

相談者
相談者

はぁ・・・。まあ、確かに。

応援団長
応援団長

〇〇さん(相談者)を突き放しているわけではありませんよ。職場にはきっと課題があるのではないかと。その解決策としてレゴ®が有益そうであれば、もちろん提案しますし、ぜひ実施しましょう。ですので、職場の方針遂行上でネックになっていくことだとか、職場内のコミュニケーション上で問題視していることなどがあれば伺いたいです。

相談者
相談者

うーん、課題ですか。急に言われましても・・・。

応援団長
応援団長

(ひたすら待つ・・・・)

相談者
相談者

分かりました。課題が明確でないとどんな施策をやっても意味がないということですね。もう少しちゃんと考えてから相談します。

応援団長
応援団長

失礼な物言いをしていたらすみません。知り合いの方にレゴ®を活用したとき、何を目的にやっていたのかを聞いてみられるのも一案です。〇〇さん(相談者)の職場にも該当するかもしれませんし。

相談者
相談者

そうですね。聞いています。

といった感じでした。

相談者の知人の職場で「明確な目的のないワークショップ」をやっていたとすれば、聞いてみるだけ無駄かもしれません。とはいえ、今回のやりとりが、施策には(経営に資する)課題が紐づいていなくてはならないという点を意識してもらう機会になっていれば良いのではないかと私は考えています。

後日談としては、この相談者からそれ以降、相談は来ていません。(とっつきにくいと思われたのかもしれません)

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以前にもこのブログで書きましたが、レゴ®のように、ツールの特徴が尖っていればいるほど、「面白そう」と見えるのか、それらを使ったワークショップに世間はやたらと飛びつきがちです。

レゴ®の他には、人の持つ強みを扱うツールである「ストレングスファインダー(→ クリフトンストレングス社のサイトへ)」、人をタイプ分けして対応を考える「ソーシャルスタイル」もそのような扱いを受けがちです。(→ 「ソーシャルスタイル」を使った研修やワークショップに関する注意喚起しているブログを書いています。その記事へ

ストレングスファインダーって面白そうなんですけど~♪

あまたの種類のある「価値観カード」なるものもそうです。

人材育成や組織開発に関わる者として、単に「盛り上がる」「楽しい」「仲良くなれそう」といった理由だけでワークショップを請け負ったり、企画したり、開催したりすることに残念さを感じます。

特に内部コンサルタントは、社員にとって“気軽な相談相手”です。だからこそ、なんでもかんでも「はい、やりましょう」と請け負うのではなく、プロとしての自覚と振る舞いで、経営に資する場を創造することに心掛けたいものです。